SharedPreferencesとは何か
SharedPreferencesは、AndroidやFlutterアプリケーションで簡単にデータを永続化(保存)するためのパッケージです. このパッケージを使用することで、アプリ内に保存したいデータを簡単に永続化することができます.
主にユーザー設定や状態保存など、単純で少量の環境設定保存に用いられます. その実態はXML形式のテキストファイルです. 保存できるデータの型は String, int, float, long, boolean, Set です.
SharedPreferencesはシンプルで軽量なキー・バリューストア(Key-Value Store)として機能します. 保存されたデータはActivityが終了しても保持されるので、基本的にはアプリの設定を保存するために用いられます.
FlutterでSharedPreferencesを使用する方法
SharedPreferencesは、Flutterでアプリ内に保存したいデータを簡単に永続化するためのパッケージです. 以下に、SharedPreferencesを使用してデータを保存・読み込む基本的な手順を示します.
SharedPreferencesの導入方法
-
まず、
pubspec.yaml
ファイルに依存関係を追加します.pubspec.yaml
ファイルは、Flutterプロジェクトのルートディレクトリに位置しています. 以下のように、dependenciesセクションにshared_preferences
を追加します.
yaml
dependencies:
flutter:
sdk: flutter
shared_preferences: ^latest_version
ここで、latest_version
はshared_preferences
の最新バージョンを指します. 最新バージョンの番号は、 pub.dev のshared_preferences
ページで確認できます. -
次に、プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行します.
bash
flutter pub get
このコマンドは、pubspec.yaml
ファイルにリストされたすべての依存関係を取得し、プロジェクトにインストールします. -
これで、
shared_preferences
パッケージの全てのクラスと関数がプロジェクトで利用可能になりました. パッケージを使用するには、対象のDartファイルで以下のようにインポートします.
dart
import 'package:shared_preferences/shared_preferences.dart';
SharedPreferencesを使ったデータの保存
SharedPreferencesパッケージを使用してデータを保存するには、まずSharedPreferencesインスタンスを取得する必要があります. これは非同期操作なので、 async
と await
キーワードを使用します.
SharedPreferences prefs = await SharedPreferences.getInstance();
次に、保存したいデータ型に応じて適切なメソッドを選択します. 以下に各データ型の保存方法を示します.
- 整数値を保存する:
dart
await prefs.setInt('my_int_key', 10); - 浮動小数点数を保存する:
dart
await prefs.setDouble('my_double_key', 10.0); - 文字列を保存する:
dart
await prefs.setString('my_string_key', 'Hello, World!'); - ブール値を保存する:
dart
await prefs.setBool('my_bool_key', true); - 文字列のリストを保存する:
dart
await prefs.setStringList('my_string_list_key', ['a', 'b', 'c']);
SharedPreferencesを使ったデータの読み込み
SharedPreferencesパッケージを使用して保存したデータを読み込むには、まずSharedPreferencesインスタンスを取得します.
SharedPreferences prefs = await SharedPreferences.getInstance();
保存したデータ型に応じて適切なメソッドを使用します.
- 整数値を読み込む:
dart
final int myIntValue = prefs.getInt('my_int_key') ?? 0; - 浮動小数点数を読み込む:
dart
final double myDoubleValue = prefs.getDouble('my_double_key') ?? 0.0; - 文字列を読み込む:
dart
final String myStringValue = prefs.getString('my_string_key') ?? ''; - ブール値を読み込む:
dart
final bool myBoolValue = prefs.getBool('my_bool_key') ?? false; - 文字列のリストを読み込む:
dart
final List<String> myStringListValue = prefs.getStringList('my_string_list_key') ?? [];
以上が、FlutterでSharedPreferencesを使用する基本的な方法です.
すべてのデータを削除する方法
SharedPreferencesを使用して保存したすべてのデータを削除するには、以下の手順を実行します.
まず、SharedPreferencesのインスタンスを取得します.
SharedPreferences prefs = await SharedPreferences.getInstance();
次に、remove
メソッドを使用してデータを削除します. remove
メソッドは、指定したキーのデータを削除します. 以下に例を示します.
await prefs.remove('my_key');
このコードは、キーが'my_key'
のデータを削除します. すべてのデータを削除するには、保存したすべてのキーに対してこの操作を行います.
以上が、SharedPreferencesを使用してすべてのデータを削除する方法です.
特定のキーのデータを削除する方法
SharedPreferencesを使用して特定のキーのデータを削除するには、以下の手順を実行します.
まず、SharedPreferencesのインスタンスを取得します.
SharedPreferences prefs = await SharedPreferences.getInstance();
次に、remove
メソッドを使用してデータを削除します. remove
メソッドは、指定したキーのデータを削除します. 以下に例を示します.
await prefs.remove('my_key');
このコードは、キーが'my_key'
のデータを削除します. 特定のキーのデータを削除するには、この操作を行います.
以上が、SharedPreferencesを使用して特定のキーのデータを削除する方法です.
注意点とトラブルシューティング
SharedPreferencesを使用する際には、以下のような注意点とトラブルシューティングがあります.
データ保存の上限
SharedPreferencesは、小さなデータ(主にユーザー設定など)をデバイスに保存するための簡単な方法を提供します. しかし、大量のデータや複雑なデータ構造を保存するためのものではありません. そのような場合は、データベースシステムを使用することを検討する必要があります.
エラーハンドリング
SharedPreferencesのインスタンス取得は非同期操作であり、エラーが発生する可能性があります. したがって、適切なエラーハンドリングを行うことが重要です.
ネイティブとの互換性
FlutterのSharedPreferencesは、AndroidのSharedPreferencesとiOSのNSUserDefaultsに対するラッパーとして機能します. しかし、ネイティブで保存された値のキーは、プレフィックス (flutter.)なしで保存されているため、SharedPreferencesで取得しようとすると、取得ができない場合があります.
以上が、SharedPreferencesを使用する際の注意点とトラブルシューティングです..