Flutter: HiveとDriftの比較

HiveとDriftの概要

Hive

Hiveは、FlutterとDartのアプリケーションでデータの永続化を行うためのライブラリです. Hiveは端末のローカル保存領域をデータベースとして使用し、簡単かつ高速にデータの保存/取得を行うことができます. Hiveは、基本的な型しか取り扱わない場合や、小規模なアプリケーションで内部にデータを保存したい場合に有用です.

Drift

Driftは、Dart/Flutterのアプリケーションでデータの永続化を行うためのライブラリで、SQLというデータベース言語を使ってデータの追加や更新・削除ができます. Driftは、内部データベースを扱いやすくするライブラリで、Streamでデータを受け取ったり、SQLの知識が無くともDartのみでデータの追加や更新ができる機能を持っています. Driftは、データベース形式で内部にデータを保存したい場合や、基本的な型しか取り扱わない場合に有用です..

HiveとDriftのパフォーマンス比較

HiveとDriftは、それぞれ異なるパフォーマンス特性を持っています。以下に、それぞれの特性について詳しく説明します。

Hive

Hiveは、オブジェクトの読み取りにおいて非常に高速です. しかし、この高速な読み取りは、Dartオブジェクトがメモリ内にキャッシュされている場合に限られます. ディスクから非同期APIを使用してオブジェクトを取得すると、パフォーマンスは大幅に低下します.

Drift

Driftのパフォーマンスについては、具体的なベンチマーク結果が公開されていません。しかし、一部の開発者は、Hiveよりも大量のデータを扱う場合には、Driftが適していると述べています.

全体として、HiveとDriftのパフォーマンスは、使用するアプリケーションの要件やデータの量、データの種類によって異なる可能性があります。したがって、どちらのライブラリを使用するかを決定する際には、これらの要素を考慮に入れることが重要です。

HiveとDriftの使用例

以下に、HiveとDriftを使用したFlutterアプリケーションの基本的な使用例を示します。

Hive

Hiveは、FlutterとDartのアプリケーションでデータの永続化を行うためのライブラリです. Hiveを使用すると、以下のようにデータを保存し、取得することができます:

void main() async {
  await Hive.initFlutter();
  var box = await Hive.openBox('myBox');
  await box.put('myKey', 'myValue');
  print(box.get('myKey'));  // Output: myValue
}

この例では、まずHive.initFlutter()を呼び出してHiveを初期化し、次にHive.openBox('myBox')を呼び出して新しいボックスを開きます. そして、box.put('myKey', 'myValue')を使用して新しいキーと値のペアをボックスに保存し、box.get('myKey')を使用して値を取得します.

Drift

Driftもまた、FlutterとDartのアプリケーションでデータの永続化を行うためのライブラリです. Driftを使用すると、以下のようにデータを保存し、取得することができます:

class Todos extends Table {
  IntColumn get id => integer().autoIncrement()();
  TextColumn get title => text().withLength(min: 1, max: 50)();
  TextColumn get content => text().named('body')();
}

@UseMoor(tables: [Todos])
class MyDatabase extends _$MyDatabase {
  MyDatabase() : super(FlutterQueryExecutor.inDatabaseFolder(path: 'db.sqlite'));

  @override
  int get schemaVersion => 1;

  Future<List<Todo>> get allTodos => select(todos).get();
  Future insertTodo(Todo todo) => into(todos).insert(todo);
}

この例では、まずTableクラスを継承したTodosクラスを定義しています. そして、@UseMoor(tables: [Todos])アノテーションを使用して、このテーブルを使用するデータベースクラスMyDatabaseを定義します. このデータベースクラスでは、select(todos).get()を使用して全てのTodoを取得するメソッドと、into(todos).insert(todo)を使用して新しいTodoを挿入するメソッドを定義しています.

HiveとDriftの選択基準

HiveとDriftのどちらを選択するかは、以下のような要素によって決まる可能性があります:

  1. データの量: Hiveは小規模なデータの保存に適しています. 一方、Driftは大量のデータを扱う場合に適していると一部の開発者は述べています.

  2. データの種類: HiveとDriftは、基本的な型しか取り扱わない場合に有用です. しかし、データベース形式で内部にデータを保存したい場合は、Driftが適しています.

  3. パフォーマンス: Hiveはオブジェクトの読み取りにおいて非常に高速です. しかし、この高速な読み取りは、Dartオブジェクトがメモリ内にキャッシュされている場合に限られます. ディスクから非同期APIを使用してオブジェクトを取得すると、パフォーマンスは大幅に低下します.

  4. 使用の簡単さ: HiveとDriftは、それぞれ異なる利点を持っています. Hiveは簡単かつ高速にデータの保存/取得を行うことができます. 一方、DriftはSQLの知識が無くともDartのみでデータの追加や更新ができる機能を持っています.

これらの要素を考慮に入れて、アプリケーションの要件に最も適したライブラリを選択することが重要です.

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